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文書作成日:2019/02/20


 今回は相談事例を通じて、特別縁故者について、ご紹介します。



 最近夫が死亡しました。私達は、長らく夫婦として暮らしてきましたが、籍は入れておりません。私達の間に子はありませんし、夫の両親は既に他界しており、兄弟もおりませんので、夫の相続人は誰もいないと思うのですが、相続人がいない場合は、財産は国へ帰属すると聞きました。私が財産をもらう方法はあるのでしょうか。




 家庭裁判所に対して特別縁故者の申立をし、裁判所に認められることによって、国へ帰属させることなく財産を取得することができます(民法第958条の3)。




 相続人が不存在の場合、原則として亡くなった方の財産は国庫に帰属します。しかし、家庭裁判所の審判により特別縁故者と認められることによって、その財産を取得することができます。特別縁故者とは、「被相続人と特別の関係(縁故)にあった者」を指し、その範囲は次の通りです。

1.被相続人と生計を同じくしていた者
 事実上の夫婦関係にある内縁の夫や妻、事実上の養子関係にある者などがこれに当たります。
2.被相続人の療養看護に努めた者
 生計を同じくはしていなかったものの、療養看護に力を尽くした親族や隣人などがこれに当たります。
3.その他特別の縁故があった者
 上記1、2に準じて、被相続人との間に精神的、物質的な交流関係にあった者がこれに当たります。(大阪高裁昭和46年5月18日)

 今回は被相続人と生計を同じくしていた者に該当するため、特別縁故者の審判がされる事案と考えられます。ただし、申立があった場合に限り、家庭裁判所は相続財産の全部または一部を分与するかどうかを決定するため、特別縁故者として財産を取得したいときは必ず申立をする必要があります。
 なお、特別縁故者への財産の分与は、相続人がないことが前提となりますので、特別縁故者の申立を行う前に相続人を探すための手続きが必要となります。

 相続人を探す手続きや、特別縁故者の申立は、ともに期限などが細かく規定されておりますので、申立をされる際には専門家へご相談されることをおすすめします。


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